アメリカドルは世界の基軸通貨になっております。基軸通貨である米ドルが買われているのか、売られているのかで米ドル自体の強さを測る指標として利用されるドルインデックス。今後はアメリカドルが弱くなると予想されていますが、今でも有効な指標とされています。
ドルインデックスとは?
ドルインデックスとは米ドルの強弱を示す指標になります。米ドルが買われているのか、売られているのか、でどれくらいの強さを持っているのかがわかるということです。ドルインデックスは、ニューヨーク商品取引所や国際決済銀行など色々な機関が作成しているケースが見られますので、一概に全部同じではないです。作成元により算出が異なるため、値動きが違う場合があります。いずれにしてもトレードをするにあたっての重要な指標であることには変わりありません。
取引に活かす方法
上記でも説明した通りになりますが米ドルは世界の基軸通貨になります。米ドルを中心にして考えてトレードをすることで、通貨ペアの相対的に強弱も見えてきます。この見方は普段から意識しておくと、よいでしょう。
例1:USD/JPYが売りトレンドでEUR/USDが売りトレンドの場合
USD/JPYが売りトレンドだと仮定しましょう。その一方でEUR/USDが売りトレンドである場合、EUR<USD<JPYという構図が見られます。これにより一番強いのが日本円であり、次に強いのが米ドルであることが分かります。ここからさらにEUR/JPYをみればおそらく売りトレンドになっているはずです。このように他の通貨ペアとの相対的な強さが見えてきます。
例2:USD/JPYが買いトレンドでAUD/USDが買いトレンドの場合
USD/JPYが買いトレンドだとしましょう。圧倒的に米ドルが強いとおもいきや、AUD/USDでは圧倒的に買いが強いのです。ここからわかるのはJPY<USD<AUDという構図が見えてきます。オーストラリアドルが圧倒的に強く、日本円が一番弱いということが見えてきます。ここからさらにAUD/JPYを見れば、恐らく買いトレンドになっているはずです。

ドルインデックスの解釈
ドルインデックスは、ニューヨーク商品取引所や国際決済銀行など色々な機関が作成しているということを伝えました。米ドルは全世界で利用される通貨です。新興国では自国の通貨よりも米ドルの方が信頼があるため、日常生活から企業活動の貿易、輸出入に米ドルが使用されます。そこで各機関がどのような視点でドルインデックス指標を作成しているのでしょうか。
ニューヨーク取引所のドルインデックス
ニューヨーク取引所(NYBOT)が公開しているドルインデックスではドルの比重は以下のようにしています。ユーロや円、ポンドといった主要通貨に対して米ドルの強弱を以下のように定義しています。表を見て頂いても分かる通り、NYBOTのドルインデックスではユーロの比重が重くなっています。
米ドルの比重 | |
EUR/USD | 57.6% |
USD/JPY | 13.6% |
GBP/USD | 11.9% |
USD/CAD | 9.1% |
USD/CHF | 3.6% |
アメリカ連邦準備制度理事会のドルインデックス
アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)が発表しているドルインデックスもあります。アメリカの最大の貿易相手国である中国の人民元を最も重く見ています。最大の貿易相手国である中国の人民元に比重を置くことで、人民元に対して米ドルが強いのか弱いのかを判断する際に有用な指標となります。
米ドルの比重 | |
USD/CHN | 20.8% |
EUR/USD | 16.6% |
USD/CAD | 12.9% |
USD/JPY | 7.5% |
USD/MXN | 4.6% |
仮想通貨市場も注視するドルインデックス
ドルインデックスは何も為替だけでの話ではありません。仮想通貨相場も米ドルの影響は受けますので相場にも影響を与えることがあります。そのため為替トレーダーだけでなく、仮想通貨トレーダーの場合もドルインデックスは気にすべきでしょう。もし法定通貨と仮想通貨のペアでトレードをしている場合はもっと重要になりますし、影響度がとても大きくなっていきますので、注視しなければなりません。
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